ウェストハムはまだまだ終わらんよ プレミアリーグ 第34節ユナイテッド戦 #4
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- 1.スターティングメンバー
- 2.攻撃(ボール保持時)
- 3.ネガティブトランジション(攻撃→守備の切り替え)
- 4.守備(ボール非保持)
- 5.ポジティブトランジション(守備→攻撃への切り替え)
1.スターティングメンバー
久々のウェストハムのグレーユニ。個人的に好きです。
まずはウェストハム。長く定位置を確保していたクレスウェルに変えて攻撃的なマスアク。前節のフリデリックスからサバレタに変更。4‐2‐3‐1かと思いきやフェリペを右サイド、ランシーニを左サイドに置くこのチームが一番やりやすい形であろう4‐1‐4‐1。左サイドの守備が少し不安だが、ここはペジェグリーニ監督の思い切った決断だった。アンカー横にノーブルやスノッドグラスが侵入する狙いも見える。
対する赤い悪魔ユナイテッドはCLに備えてかマクトミネイが外れマタを起用。気になるところはダロトの右サイドの守備。サイド圧縮でボールを奪取してそのまま同サイド高速カウンターで仕留めるユナイテッドですが、左ウイングにはネガトラが極端に遅いマルシャル。スールシャールの思い通りにはいかなかっただろう。
2.攻撃(ボール保持時)
DFラインでのビルドアップはまだまだ不安が残るため(特にオグボンナ)、中盤の選手が降りてきてビルドアップを助ける形が多い。(このため、中盤での人数が足りず、次のフェイズに進んだときに効果的にボールを前進できないケース多発)困ったらあまり良くない体制でのロングボールを蹴ってしまう。そしてそのロングボールのセカンドボール回収率もそんなに高くない。とにかくビルドアップの点で今季は解決策がなさそう。ロングボールでもなんでも前に蹴って前に運べ!
ウェストハムの特徴であるサイド攻撃がこの試合では光りました。ユナイテッドは中央にコンパクトな守備陣形を保ちつつ、守備時は4-4-2のような形にもなる。しかし、サイドの守備がサボり気味のマルシャルであったり、リンガードが中央に流れたり、はたまたSBが不慣れなポジションのダロトとサイドの守備がそんなに固い構造ではないのでこれでもかとウェストハムはサイドを攻め立てました。
チチャのサイドチェンジから左サイドでチャンスを作ったシーン
リンガードもボールホルダーにプレスに行ってしまいマスアクががら空き。さらにユナイテッドのCBスモーリングとジョーンズの間のスペース。 この2CBは1対1で対峙したときは良いパフォーマンスを発揮しますが、こういうサイドに振られた時にボールウォッチャーになって自分の背中を捨てがちです。中央は見事に2対2。マスアクもフリーで素晴らしいクロスを供給。チチャの落としにフェリぺがボレーで合わせネットを揺らします。相手の弱点を見事についた素晴らしい得点。
が、オフサイドの判定。ほんとはなかったけどね!オンサイドだったけどね!!!
ですが、後半にこのサイド攻撃が身を結びます。ユナイテッドのミスからの得点です。
たぶん偶然だと思うんですけど、この直前のシーンやほかのシーンでも、スノッドグラスがハーフスペースに侵入してサイドにボールを供給しているんですよね…気のせいか
先ほどのシーンとほぼ一緒。スモーリングがCB間を大胆に空けていますが、今度はフレッジが埋めています。その代わりスノッドグラスは空いています。スモーリングもダロトのサポートに向かいますがウェストハムの狙いはCBを引っ張り出したことで生まれる空いたファーサイドへのクロス。
ここで俺らのランシーニが戻ってきた。サイドの守備はサボりがちなのか、前線に残ってカウンターを引っ張る要因なのかはわかりませんが、以前のようなスキルの高さ、質的優位を作りだしました。シザースで相手の逆を取り、インスイングのクロス。ロホの頭上を綺麗になぞり、我らの得点王フェリペが沈めます。
やっと結びついた狙っていた形でのゴールになりました。
この後ランシーニはまたも負傷交代、、、長引かなければいいですが。そしてペジェグリーニは後半終盤にチチャに変えてみんな大好きスーパーユーティリティ、アントニオを投入。疲労した相手には十分すぎるパワー。バーをたたいた惜しいシュートを放ちました。アントニオのスーパーサブはありかもしれません。
3.ネガティブトランジション(攻撃→守備の切り替え)
前半は中盤の2枚のIHが飛び出した後の切り替えも遅く、スペースを使われた。
後半はどちらかのIHが飛び出したら、どちらかはライスの横のスペースを埋め、待ち構える形をとった。後半に入るとしっかり修正が入るあたり、流石ペジェグリーニと言わんばかり。
4.守備(ボール非保持)
このチームの急務の課題は守備の共通意識の改善。ほぼ毎試合中盤ではがされ、DFライン+ライスでピンチを迎えています。今季ライスがアンカーで急成長したのは多くのピンチを迎え、難しい判断を何度も強いられたからだと思われます。
ユナイテッド目線で話すとルカクやリンガードが下りてきて中盤で数的有利を作ったり、ビルドアップ時はポグバがアンカーの位置まで下りて、フレッジと2ボラのような形になり、4-2-3-1に可変したり、攻撃の種類が豊富です。
戻ってウェストハム。最近前線からプレスをかけていますが、いとも簡単に中央突破されてしまいます。原因はおそらくIH。勢いよく飛び出すのはいいが、その後がない。ライスの脇のスペースを使われ放題でした。上記したように後半では修正されていました
上図のようにカバーシャドウ(パスコースに立つことで敵を無力化する)の意識が低い。というよりやってない。なのではがされた後の対処を見るとそれも特になし。守備は仕込めてなさそう。アドリブ感がありますね。ファビアンスキがいなければ今頃何位なのか…考えるだけで恐ろしい。
解決策
この場合リンガードが中に流れてマスアクが暇そうなので、
①マタにアプローチしてライスの選択肢をリンガードに絞る
マスアクが空けたスペースにランシーニが戻ってくるのは望みが薄いのでスノッドグラスはこのスペースを埋めましょう。
前がだめなら後ろでカバーするのが何事も定石。後半は修正してどちらかのIHがライスのアンカー脇を埋めていました。
個人的に下手に飛び出してライン間でボールを受けられてしまうなら、ある程度まで引いてブロックを作ったほうがいいのではと思う。シティ戦やリヴァプール戦でも効いていたし、別にポゼッション型だからと言って前からボールを奪いに行かなくたっていい。まだ今は後ろでとってもゲーゲン気味のプレスが来て場合蹴ってしまいがちですが。
5.ポジティブトランジション(守備→攻撃への切り替え)
このチームの一番の長所はこのポジトラ時のカウンターです。鋭いものを持っています。相手枚数が少なければ低い位置からでもガンガン前に飛び出していきます。 このカウンターを磨いて、引いて引いてカウンターサッカーでもいいのですが、うちが目指しているのはそういうサッカーではないことは確か。ペジェグリーニほどの名将がきた意味を。セットプレーだけじゃない得点を。
感想
このチームの目指しているサッカーは超攻撃的サッカー。僕はサバレタがどれだけシュートを打ってきたか知っています。うちではSBがフィニッシャーになることもあります。それぐらいの人数を攻撃にかけています。しかしまだまだゴール数は失点数を超えません。このチームの急務の課題は守備だとぼくは言いましたが、ゴールの少なさもこのチームの課題です。決めきる決定力というよりは、そのチャンスを作り出せていないのが現状かと思います。ユナイテッド戦は相手に間延びした時間もあったし、弱点もありました。言っても3連敗しています。次のレスター戦ではぜひとも勝利を。