ペジェグリーニ 第13節ウェストハムvsトッテナム戦
はじめに
ペジェグリーニの後任について盛り上がってますが、一応書きました。まあそんなに書くことはないのですぐ読み終わるかと。じゃあ書いていきます。
1.スターティングメンバーと試合結果
https://www.whoscored.com/Matches/1376033/Live/England-Premier-League-2019-2020-West-Ham-Tottenham 参照
ウェストハムはライスをアンカーに置く4‐1‐4‐1を採用。特に変わったところは見受けられない。ペジェ自身クビがかかっている試合が続く中、一番手ごたえのあるこの布陣でこの後の試合も戦うことが予想される。
対してモウリーニョ初陣のスパーズ。世界が注目するであろうモウリーニョの監督復帰、彼は監督業を休んでいた間フットボールの勉学にあてていたらしい。
チームを任されわずか3日ではあったが、選手たちも生き生きしていたように見える。
試合結果は2‐3でスパーズの勝利。試合内容はウェストハムの惨敗でした。監督来て3日のチームに組織の完成度で完っ全に負けていました。残念です。
2.守備
開始3分 スパーズがボールを握るといきなり右肩オーリエ上がりの3‐4‐3に可変。サンチェス、アルデルヴァイレルトにデイビスの3バックでビルドアップを開始。
ウェストハムはアレとIHでボランチへのパスコースをチェックしていたが、3バックの左右の務めるサンチェスやデイビスからアンカー脇にポジショニングするデレアリへのコースはチェック出来ず、この一発のパスでバイタルで前を向かせてしまっていた。
しかしウェストハムも動きます。ペジェが指示したのか選手たちが判断したのかは分かりませんが引き続きボランチ封鎖のまま、ボールサイドのヤルモレンコが先ほどのアリへのパスコースを消し、外に開いている孫にはライアンがチェック。ライスもアリにマーク。
よってスパーズは逆サイドに展開。
サンチェスからのルーカスへのパスをクレスウェルがチェック。ここでボール回収。
こんな状況があったりなかったりで30分まではお互い睨め合い。
スパーズもまだ流石に組織が甘く、右サイドで幅を取るオーリエの位置が低かったり、ソンが中にポジショニングする選手と被ったり、ボランチを務めるダイアーも久々の出番で試合勘が欠けてるのか、イージーなミスが続き、攻撃が少しちぐはぐでした。
しかしウェストハムの前線からの守備にスパーズが徐々に順応し始め、3バックが詰まったらケインが落ちてきたり、ウィンクスがプレスの合間に上手く入り込みビルドアップに安定を取り戻すと、ついにスコアが動きます。
正直ここまで何度も決定機を作られかけたシーンがありました。ライスの度が過ぎるカバーリングの広さでギリッギリでなんとか止めていました。このシーンもCBのボール処理のミスをゴール前まで運ばれ、ケインとGKとの1対1を間一髪で救った場面です。
ライスが繋いでくれたボールを簡単に回収され、
ライスがCB裏をカバーリング後に戻れるはずもなく、アンカー脇どころかアンカー不在。ライスが抜けたスペースを埋める動きがあまりに少ないのがウェストハムの大きい課題の一つです。この後当然のようにこのスペースに居るアリへ縦パスを通され、簡単に裏へ抜け出したソンへスルーパス。DFとの1対1を簡単に制しスパーズ先制。
この後もスパーズのビルドアップを止めれず、後半に入ってもなお前線からのプレスにあまり変化もなく、0‐3まで完膚なきまでにボコされました。
3.攻撃
ウェストハムの攻撃はやはりアドリブが多い。チームとしてやりたいことが一方向に向いてないんですよ。誰か最低限だけでも仕込んでほしい。
やっぱり課題はビルドアップ。1年半ずっとできない。別になくてもいいんですよ?でもなんか繋ぎたそうにしてるからこの1年半言ってるだけで。スパーズは終盤完全に自陣に4‐4‐2丸ごと閉まってしまったのでライスのCBの効力はあまり見受けられなかった
これなんてあまりにビルドアップに人数割きすぎです。スコアは0‐3で別にプレスも大してかけてこない相手に。SBは相も変わらず低すぎるし、そりゃアレも孤立しますよ。
スパーズは4‐4‐2の中央コンパクト。まさにモウリーニョですが、まだスパーズの選手たちのスライドが遅く、サイドに振ればどこかに風穴が空いていました。いましたが、しかもそこにフリーな選手がいても上手くボールが動かせず、オープンな状況でチャンスを作ることができなかった。
やはり選手たちのアドリブだけでは何ともなりません。うちにはダビドシルバもいなければアグエロもヤヤトゥーレもいません。個人で何とか出来るのはアントニオぐらいです。
終盤そのアントニオがなんでその足の振り方で?みたいな非常にコンパクトな足の振りでしかも体制も崩しながら再現不可能なとんでもなく難易度の高いシュートをゴール隅に叩きこみ、1点を返すと、CKで2点目。試合終了。
まとめ
特にいうことはありません。代わり映えのしない戦い方に飽き飽きしてます。最近ウェストハムの試合も楽しみにはしてないので僕の楽しい週末を返してくれるような監督を僕はサンタさんに頼もうかなと思ってます。靴下にコヴァチが入っていますように。
誰かウェストハムを救ってください。
はじめに
お久しぶりです。今回は字だけです。少し長いかもしれませんが僕のウェストハムに対する今の気持ちをひたすら書いていこうと思います。では始めます。
今現在のウェストハムの成績
プレミアリーグも第12節まで終え、スタートダッシュの時期も終わり大体のクラブが徐々に落ち着き始めたころでしょうか。そんなころウェストハムはこの12試合の間に最高4位から今現在16位まで順位を落とし、我が監督ペジェグリーニに解任の噂が飛び交っています。それはそうでしょう。ここ2ヶ月くらいは過去最悪の試合内容を更新し続けています。私は激怒しているのです。嘘ですそんなには怒ってないです。まあ、でも怒ってます。
スタートダッシュは多くのクラブが新監督の下バタバタしていたため、そこまで苦労せずに勝ち点を積み上げることに成功していましたが、化けの皮が剥がれたというか、別に何にも化けていませんが10月に入って一気に調子を崩し、ここ6試合勝利なし。相手は落としてはいけない相手ばかりに内容ではボッコボコ。選手たちは徐々に自信を無くし、プレーにも曖昧さが出てきました。そこでペジェグリーニに解任の噂が流れてきたのです。やっとだよ。ほんとに。
期待を裏切られた2年目
ペジェグリーニがウェストハムの監督に就任してから1年半くらいたちます。僕たちハマーズサポは 「やっっっとマシな監督が来た!!!」 「実績もある!選手からの人望も厚い!」 「攻撃的なサッカーで戦術にも定評がある!」 と、かなり歓喜したものです。 ですが蓋を開けてみると、どうにも様子がおかしい。戦術…?というくらいピッチ上では約束事が見られない。
攻撃ではいつまでたっても修正しないビルドアップからボールはサイドで行き詰まり、その場の選手任せのプレーはちぐはぐなパスミスも多く見られ、ほとんどオープンの得点は見られませんでした。サイドで詰まった時のオーバーラップしてきたSBのクロスの精度もまあ悪いこと。個人的に殆どラッキーで得点してるように見えてしまいます。しかもウチにはウィルシャーやフォルナルスと言った一級品のテクニシャンを擁してるわけですよ。なのにこんなに中央を避けます? バスケだったら3Pシュートしか狙わないことがバレバレで3ポイントラインの外でひたすらボール回してるだけですよ?ただの相手のスティール待ちですよ。中にドライブしてから空いた外のシューターにキックアウトしてスリーを狙うのが定石でしょ。中央を攻撃せずにサイド攻撃だけでゴールに向かうなんて無謀すぎます。タフなシュートが多すぎる。
守備もネガトラが遅かったり、隣同士の連携ですら曖昧。マークの受け渡しミスからの失点は本当に多い。 なんとかライスとファビアンスキの頑張りでギリッギリで何とかなっていましたが、我らが神ファビアンスキが怪我で欠場してる今現在、どれだけファビアンスキに救われていたかハマーズサポでなくても分かったでしょう。
こんな風に、え?草サッカー?みたいな寄せ集めサッカーを続けています。こんな事になるなんてペジェグリーニが就任した頃には思っても見ませんでした。
僕は自分のブログでペジェグリーニに関してプラスな面はほとんど書いてないと思います。良いところは後半の修正力くらいかと思います。何で前半からやらないんだと思うくらいこのチームの後半は変わります。まあでも大体時すでに遅しです。 とにかく僕はペジェグリーニが今後ウェストハムで指揮を取ることに大反対です。選手任せのこのままの戦い方では例え勝ったとしても得られるのは勝ち点のみです。このチームに明るい未来は見えてきません。
他のプレミアクラブの動向
同じくらいに隣で仲良くやってたブライトン、レスターを見てください。ブライトンは新監督の下、魅力的はポジショナルサッカーを展開し、ビッククラブ相手にも勝ち星を挙げています。レスターに限っては2年目ロジャース監督の戦術が徐々に浸透し生まれ変わったレスターは何と今リヴァプールに続いてプレミアリーグ2位です。もう普通に強い。ほんとに羨ましい。選手層ウチとそんなに変わらないよね?ウチだってアレとフォルナルスとランシーニとフェリペとライスとウィルシャーとヤルモレンコまでいるんだよ? (もう50回くらいは言った)
感想
まあ僕は今のウェストハムにかなりの不満を持っているということです。てか普通に不満は持ちますよね。だってこんなにお金をかけて良い選手持ってきたのに見せられてるのはコレですよ。どんだけ期待を裏切ればいいのかこのクラブは。特にフォルナルスを筆頭に若手がかわいそうでならないです。これに限っては大きなお世話なんですが、ほんとに僕はフォルナルスに期待してたんですよ。世代別代表であんなに輝いていたフォルナルスはウェストハムでは全く見られません。このままではこの大事な1年間を棒に振る可能性があるということです。
最悪のケースをここに出します。 この1ヶ月でウェストハムが今の戦い方で勝ち星を挙げることができないのならクラブは降格圏に落ちて、来期ハマーズの選手たちは「このクラブに未来はない」と出て行ってしまう可能性があります。特に一番怖いのはライス。彼はハマーズの中では頭1つ2つ抜けていて、どこのビッククラブからも声をかけられても良い人材です。ですが僕たちハマーズサポがどんなにウェストハムが酷いサッカーをしようが、どんなに負け方をしようが何とか歯を食いしばってぎこちない笑顔を作れた唯一の理由。クラブ生え抜きのこれからのスター選手デクランライスが放出されなんてしたら全世界のハマーズサポは激怒するでしょう。ここ10年は暗黒時代になる可能性もあります。
まあ正直流石にこの1ヶ月でちょっとは流れを取り戻すと思います。ウチはビッククラブに対して弱者の戦い方でかなり勝ち点をかっさらったことがあるので。 まあ勝ったところでこのチームに得られるのは勝ち点だけなので直ぐにでもコヴァチを呼んでこのチームに哲学を根付かせてほしいところです。このチームはスタイルが無さすぎる。選手任せにしちゃ絶対にダメだと思います。細かすぎるほどの修正が必要です。 じゃあこれで終わります。これはあくまで個人的な意見です。なので「そんなわけねえだろうがこのど素人が!!!」という人がいらっしゃれば是非リプ欄にご意見頂戴します。ではでは。
個で来るなら個で潰すまで 第7節ユナイテッド戦
はじめに
先週は休んでしまいすいませんでした。ここ最近大学やら就活関連やらで忙しく、以前のような長々としたレビューを書くのは難しくなってきました。なので更新やこの記事から分量がコンパクトになると思います。端的にまとめられるように頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。では始めます。ユナイテッドに勝ったぞ!
1.スターティングメンバーと試合結果
試合は2‐0でウェストハムの勝利。終始ウェストハムペースで進んだ試合内容でしたが、ユナイテッドに決定的な場面を作られていたことは無視できません。正直一本でも入っていたら結果は変わっていたかもしれませんね。そして待望の直接FK弾。昨季のシティ戦以来なのでは?またもクレスウェルが決めてくれました。もう本当に最高です。
2.ボール保持時
ユナイテッドのラッシュフォードがあまり守備参加しないので、ある程度DFラインでボールが持てたウェストハム。
やはり終始効いていたのはこの男。
サイドに奥深く侵入できたのはフォルナルスのおかげといって大げさではないでしょう。ウェストハムのビルドアップの性質上、中央を制することはかなりキツイのでまだ出来ませんが、彼はハーフスペースに居座り続けることで左サイドの攻撃の質を何段も上げて見せました。この功績はクレスウェルのインナーラップとオーバーラップの使い分けのものでもありますが、不用意なロストで終わる攻撃はかなり減り、チャンスを何度も演出しました。評価点は6.6とそこまでの数字ではないものの、数字には表れないポジショニングの良さでこれからも貢献してくれるでしょう。いい意味で実にウェストハムらしくない選手。また出番が与えられるなら、しっかり彼の動きを見ておきましょう。
ユナイテッドもうちに似て、選手に自由にやらせるタイプのサッカーをしてくるので、個のぶつかり合いになった試合ですが、ポグバがいないユナイテッドに選手の質でも完全に支配したこの試合を見れば、ウェストハムのポテンシャルは相当高いことは伺えます。個でビッグ6に勝ったのですから。
3.ボール非保持時
このチームの守備構造は大体固まったように見えます。
守備時は4‐4‐2に可変するウェストハムはあまり不要に2トップがDFラインに突っ込むことはせず、ある程度相手CBにボールを持たせる意識があります。アンカーやボランチ、またはSBを経由してこれらのポジションにボールが入るときに初めてプレッシャーを与えに行きます。これによりユナイテッドCBは自らドリブルで持ち運んだり、距離のあるパスを蹴らされ、攻撃は硬直状態が続きました。
相手に持たせる守備は上手いウェストハムですが、カウンターの対処は出来ていません。この試合でも何度かサイドからのクロスで失点しそうになりました。中盤のネガティブトランジションの意識が低く、DFライン+ライスでカウンターを受ける場面が多いです。それに後半になると気が緩みがちなウェストハムは間延びし始め、ライスの脇を突かれ放題になるのも修正しなくてはいけません。
4.まとめ
今回は時間の都合上ここまでにします。ほんとは作図とかしたかったんですけど。
時間ができたらしっかり見直してまた書こうと思います。それでは。
久々の快勝!分かりやすく出た課題 ウェストハムvsノリッジ第4節
はじめに
タイトル通り、やっと実感のある勝利を手にいれたなと思います。この戦い方に継続性があるのかどうかは置いといて、今週は勝利の美酒に酔いしれましょう。試合もないことですし。ですが少し気になる点も触れていきます。では始めます。よろしくどうぞ。
1.スターティングメンバーと試合結果
https://www.whoscored.com/Matches/1375961/Live/England-Premier-League-2019-2020-West-Ham-Norwich 参照。
注目のプッキはこの試合ではあまり目立つことはありませんでした。ノリッジも前半ペースを作れそうでしたが、この試合ではパスミスが目立ち、ターンオーバーも多かったので、ウェストハムは自分たちでゲーム作らずに済み、シンプルなカウンターが何度も刺さりました。しかしあのカウンターの数々で2点しか取れなかったのは、シュートメイクの数も少なかったことからも明らかな課題でしょう。
MVPはマスアク。攻撃面でも良いランニングからボールを貰い、精度の高いクロスでアシスト。前を向かせない寄せの速いタックルも健在で数は6回。このまま定位置を掴みたいところ。
2.ボール保持時
命運を分けたロングボール作戦
何度も言いますが、ウェストハムのビルドアップは酷いものです。それについてはまたあとで書きますが、とりあえずウェストハムはこの試合で1つの試みに出ました。それは、ビルドアップミスで取られてカウンターを食らうなら、キーパーに戻してアレにロングボールだ作戦です。これがこの試合ではかなり上手くいきました。ファビアンスキまで戻し、ノリッジの左CB(183㎝)の背が低い方にアレが流れ、そこにロングボール。こぼれをトランジション(切り替え)勝負でボールを前に進むことも出来ていました。しかしこれは相手のプレスを避ける際の逃げどころの1つなだけであり、チームはまだボールを握ってゲームを支配することを諦めていないのは試合を見ればわかります。
一向に修正が入らないビルドアップ
ウェストハムがなぜビルドアップからの攻撃が上手くいかないのか。その答えはずっと前から出ています。DFラインの足元?視野の狭さ?それもあります。しかし個人的に一番問題だと思うのは、サイドハーフとサイドバックの共通認識のないポジショニングだと思います。
(1)右サイドのフリデリックスとヤルモレンコ
こちらは左サイドのマスアクとフェリペアンデルソン
ウェストハムでよく見られる光景です。どちらもサイドに張ってしまって、中央に人がいません。
(1)
よってアレと絡む人がいなくなり、孤立してしまいます。そのため、チチャリートやルーカスペレスといった人が密集したところで活きるタイプの選手は実力を発揮できず、生き残るのはロングボールのターゲットになるポストプレイヤーのみとなるのです。この次に行われるプレーよく見られるのが、次にサイドハーフがCB横までボールを貰いに来てずるずると後退しロングボールを蹴らされる。
3バックに可変するなら
↓
(1)改善版
最低限このように選手を配置してから、その後の攻撃は選手に任せるのなら、まだ分かりますが、それもしないなら選手は迷ってしまいます。
右WGを務めるヤルモレンコが中に入ることでライアンをフリーにすることができ、さらにそのままクロスのターゲットにもなれるヤルモレンコは貴重な戦力です。
しかしウェストハムの右WGのヤルモレンコは外からの突破が得意な選手で、中でのプレーはあまり得意そうではありません。ライアンも超速オーバーラップが長所でタイミングが良くないと上図(1)のように互いの良さを消しあってしまいます。
アントニオがいない今、この仕事が最高に上手い選手が一人。
パブロフォルナルス。彼はアレとの連携がチーム1良く、中で自らもゴールに絡むプレーが最高に上手いです。それはもうこのチームには勿体ないぐらいの能力の高さです。彼がウェストハムでいまいち出番を与えられない理由は彼自身に問題があるのではなく、彼が機能するようなチーム作りが出来ていないため、今現在そこまでの活躍を見せれていないのです。アントニオのケガは痛いですが、フォルナルスにとってはポジション奪取のチャンスです。期待しています。
実際にウェストハムが上げた先制点は上図の形とほぼ同じでした。
立ち位置は逆ですが、フェリペアンデルソンが相手のSBを引き付け、SB‐CB間を空けました。そこにワンツーしたマスアクが走り込み、
カバーしてきたCBを振り切ったことで中も同数。精度の高いクロスで先制アシスト。アレも片手で相手との競り合いを余裕で制した。圧倒的フィジカル。
しかし皆さんお気づきかもしれませんが、このプレーは偶然起きたということです。上に貼った画像の時計を見れば、10分後にはこのプレーは忘れられているのです。ウェストハムにすればただの一夜限りの出来事だったのです。
3.ボール非保持時
ノリッジの狙い
何度も見られた再現性の高い攻撃でした。ノリッジはビルドアップからボランチの2人がDFラインに落ちて、SBが高い位置を取って幅を取り、サイドハーフがシャドウ気味に中に入ってくる形を取ってきました。このサイドハーフがマスアクを釣るように落ちてSB裏を空けさせ、高い位置を取ったSBが抜け出し決定的なクロスを上げさせてしまいました。
前半40分ぐらいまではノリッジはこの攻撃を続けていましたが、コンディションが良くないのか個々のプレーのミスが目立ち、思うように行きませんでした。
ウェストハムが取った対策
4‐4ラインが綺麗に揃わないウェストハムは相手のビルドアップを止めようとしました。
色変えるの忘れてすいません。黄→ノリッジ
ウェストハムはサイドハーフが出て行く守備をするようになり、降りていくノリッジのDHの選手にもついていくようになりました。これで相手のパスコースを消しにかかった。DFラインも間延びしないように上げていましたが、DFライン前のスペースは空き放題でした。ノリッジがこのウェストハムのプレスを剥がしていたらとんでもない惨殺ショーだったでしょう。なにはともあれノリッジの攻撃を止めることができました。
まとめ
試合内容はとても良かったように見えた試合でしたが、実際は相手に救われたシーンが多い試合でした。しかしそれでも順位は7位と好調スタート。今年は勝たなければならないところでは勝っています。勝負強さを身に着けたウェストハムは今季どこまでいくのか見ものです。ではでは。また来週。
勝利の苦汁 第3節ワトフォード戦
はじめに
基本的にこのチームが勝っても、いつもどこかにしこりができて終わります。この試合も同じです。気持ち良く試合が終わることなど正直ほとんどありません。
なぜならウェストハムは課題をまるで改善することを無視し、ひたすら個人の力でぶん殴ろうの悪く言えばギャンブルサッカーなので、いつまでたってもパッとしない試合内容なのです。
確かにこの素晴らしい前線の選手層。戦術で縛りたくないのは分かりますが、ある程度の彼らの長所が出るようなプレー原則がないと選手は輝きません。現にプレーに迷いが見えます。まあ、今季はこのサッカーを続けると思いますが。今回は短いです。
参考
https://www.whoscored.com/Matches/1375950/Live/England-Premier-League-2019-2020-Watford-West-Ham
1.スタンディングフォーメーションと試合結果
ノーブル、アンデルソン、アレと怪我人が戻ってきた。試合は1-3で勝利したが、いまいちな試合内容であった。MVPは2ゴールのアレ。多種多様のフィニッシュの形を持ち合わせるアレは今後もウェストハムのエースとして活躍してくれるでしょう。支配率とシュート数で負けてしまい決定機も多く作らせてしまいました。攻守に改善が必要でしょう。
2.ボール非保持時
開始1分でアレのロングボールのポストプレーからカウンターが刺さり、PKを獲得できましたが、その後非常に攻め込まれました。何故1失点で済んだのか。ワトフォードの異常なまでの決定力不足に救われました。
ワトフォードの執拗な左サイド攻め
ワトフォードのビルドアップを止められず、ウェストハムの弱点である左サイドを執拗に責められました。
ウェストハムの2トップに対し、ワトフォードは両SBを上げて中盤のドゥクレとカプールが降りてきたり、片方のSBが絞り3バック+カプールで前進したりとウェストハムのプレスに柔軟に対応した。ウェストハムはこのシステムの一番の弱点であるマスアク裏を狙われ続けました。マスアクとオグボンナが守る左サイドは相手にとってボーナスタイムみたいなもので、彼らは前方向への当たりに行く守備は良いものを持っていますが、自分の背中の守備を完全に他人に放棄しているので、ちぐはぐな守備組織は相手のビルドアップに簡単に引っ張り出され、逆サイドの選手は見事にフリーという場面が何度見られ、どんどん崩壊します。ヒューズがマスアクとオグボンナの間を走るチャンネルランからの決定的なクロスも何度も見られた。後半54分のヒューズが奇跡的に外してくれたシーンに分かりやすく表れています。あのシーンで決めきれなかったのはワトフォードとして痛かったでしょう。
3.ボール保持時
ウェストハムの攻撃はかなり自由で、攻撃の部分は評価しづらいです。ビルドアップからの攻撃は相手のプレッシングを回避することが出来ず、ほとんどありません。基本的にDFラインまで戻され、ロングボールを蹴らされるか、奪われてショートカウンターを食らうかのどちらかです。ウェストハムはこのロングボールを回収してから攻撃が始まります。
いやほんとにこのままのビルドアップだとずっとこの攻撃ですよ。そして問題はこの後。ボールを敵陣まで運んだ時です。問題は山積みです。このチームほんとにバイタルエリアでチャンスが生まれません。中央に入ることをほぼやらせてもらえず、SBのオーバーラップからのクロス。ほとんどがこれです。
これは両チームのボールタッチ数を表したヒートマップです。ワトフォードが相手陣に侵入し、バイタルからサイドまで満遍なくボールが運んでいるのに対し、ウェストハムは全くと言っていいほどバイタル、高い位置のサイド侵入は出来ていません。これは昨季から一緒です。
この攻撃を1年経った今「まだ連携が…」と言い訳は聞きません。なぜなら先日のブライトンにそれをハッキリと見せつけられたからです。組織を作るのはそこまで時間はかかりません。洗練することに時間がかかるのです。
そんなウェストハムもたまーに左サイドをワンツーとかでボールを運びます。しかしそんな時もSBが中から外へ丸分かりのオーバーラップをしてとにかく中央に人がいなかったり、ボール保持を意識しすぎるあまりカウンターの際もサイドで数的有利が作れていて、縦の急がなければならない場面で逆サイドに振ってしまったりとかなり疑問が残る攻撃が多い印象です。ほんとに自由に動けているのか?この1年ちょっとを見ていれば分かります。むしろボール保持というたった1つのルールに縛られて身動きが出来ていないように見えます。優れた選手層を持ったチームにこれは勿体無さすぎます。それとも実はそんなに大した選手層ではないんですかね?そんなことはないと思うのですが。
まとめ
特に収穫を得ることはあまりないですし、3-1で勝ったものの、得点はオープンな状況から生まれたものではなく、少し評価しづらいです。内容ではボッコボコにやられましたので。今回はここまで。
大丈夫このチーム?第2節ブライトン戦
はじめに
最近思います。いや、最近というか昨季から思ってたんですけど
このチームをペジェグリーニに任せていいのでしょうか?現代フットボールにおいてウェストハムは流石に時代に置いて行かれすぎだと思います。確かにペジェグリーニは名将です。彼は選手からの人望も厚いし、実績もある。交代策でチームのバランスを整えてくれる。しかしこの1年間でペジェグリーニがもたらしてくれたものは何でしょうか?僕にはいまいちピンときません。このチームには変化、新しい風が必要です。彼はこのチームに組織を作る気はないのでしょうか?
今回はこのチームのヤバさをデータも使って示したいと思います。では始めます。
データはWhoscoredを参照。
https://www.whoscored.com/Matches/1375939/Live/England-Premier-League-2019-2020-Brighton-West-Ham
1.スターティングメンバー
ブライトンは3‐4‐3。注目はトロサードとマレー。あと個人的にバーンという198cmのイングランド人CBは気になります。多分ウィガンの選手だった気が…
ウェストハムはアレとフェリペが一時的な離脱により、代役はチチャ、スノッドグラスが出場。
2.前半
・ボール保持時
問題のビルドアップ
あんまり言いたくはないんですが、ウェストハムのビルドアップはプレミアリーグの中でもワーストクラスです。そしてブライトンにもそれがバレていました。
ウェストハムのほとんどの傾向としてライスを経由して前進しようとします。そこでブライトンはそれほど前からハメようとせず、3トップはライスを囲むように位置していました。さらにIHのウィルシャーやフォルナルスへのパスコースが消されます。これによりディオプやオグはSBへとパス。そして前方のSHにボールを渡します。
SHに入った瞬間、ブライトンのWBは前を向かせないプレスを掛けます。たまらずSHはSBへリターンパス。ブライトンの本来の狙いはこれ。ここで三角形を形成していたWGの選手がじりじりとSBへプレス。高い位置からのショートカウンター。このブライトンの非常に良く組織された守備により、ウェストハムは見事にビルドアップをないものとされた。
これはボールが奪われた回数を示したデータです。SHのスノッドグラスがボールを奪われた回数は4回。これは決してスノッドグラスを叩くためのデータではありません。むしろこのチームの問題に巻き込まれた被害者とも言えます。てかランシーニはあれだけドリブルしといて一回しか取られてないんですね。
そしてマスアクは3回も奪われています。彼が7.2というとんでも高い評価点を付けられは、インターセプトしたボールが不安定ながらもランシーニが何とかマイボールにしてアシストしてくれたからです。さらに彼はボールタッチ数99と割と化け物スタッツを残しています。めちゃめちゃすごいじゃん!と思うかもしれませんが…
これがマスアクのヒートマップです。マスアクはこの高くも低くもない中途半端な所でボールを触ってただけです。本当にいいプレーをしたのかどうかはディティールまでみないといけません。が、マスアクのタックル数5回は両チーム合わせて1位です。彼は攻撃面ではイマイチ自分の力を出し切れていませんが、対人守備においては頼りになる存在です。寄せの速さはチーム1です。もちろん彼のドリブルはほんとに大好きだし、彼が前みたいに高い位置でガンガン仕掛ける姿がまた見たいです。だからこそペジェグリーニにはマスアクだけでなく、みんなの能力が生かせるような組織を作ってほしいのです。
話が長くなりましたが
このあとなんとかSBで取られてカウンターは避けられましたが、結局はGKまで戻され、ターゲットのいない前線へロングボールを蹴らされました。そのため前半はほとんど攻撃チャンスはありませんでした。圧倒的に空中戦で負けてたので。はい。データを出すほどではありませんね。
・ボール非保持時
前半特にひどかったのは前線からのプレス。アドリブ交じりのプレスはブライトンの思うままにボールを運ばれていました。
① 3バックに1トップでは、ビルドアップの出口を全く封鎖できなかった。そのためCBに簡単に持ち運ばれ、あっという間に三角形の出来上がり。CBからウイングへの縦パスも何度も通された。
② ハーフスペースに入った選手に壁パス。ワンツーで運ばれた。
前半はこのようなシーンが多発。
徐々に修正したウェストハム。SHのフォルナルスとスノッドが相手のCBまで自身のマークをカバーシャドウしながらプレスするようになります。
相手の右CBは逆サイドへフィードミス。ビルドアップを妨害できた。
しかしブライトンは一発でやり方を変える。
ブライトンはGKが3バックの真ん中のようにビルドアップをするようになる。しかもこのGKかなり蹴り分けられるタイプで、かなり厄介だった。これにより3バックの一人が浮き、ウチの中盤はここまでプレスに行かないといけなくなった。というか、GKまで戻させたもであれば、前線の仕事はこれで終わりでよかったのです。あとは後ろががっちりマークについてロングボールに競り勝つ!そしてそのこぼれ球を回収できるポジションを中盤が取る!それでよかったのでは?無理にアドリブで前からはめようとしてブライトンのドツボにわざわざハマりに行ったのはなぜでしょうか…
ウェストハムはVARもあり、奇跡的に0‐0で終わることが出来ました。しかし力の差は歴然でした。これが今シーズンのワーストゲームであることを願います。
3.後半
ウィルシャーに代わってアントニオ。理由はウィルシャーのボールタッチ回数でしょう。彼はIHでプレーし、前半で15回しかボールに触れませんでした。ブライトンのライス妨害がかなり効いてましたね。
いい加減ライスの脇のスペースを使われるのが嫌になったのか、スノッドグラスをボランチで使います。スノッドグラスを。いやいや流石に無理でしょ。元々ウイングの選手ですよ?あとこんなに上手いフォルナルスですが、意外かつ決定的な弱点が一つあります。それはクロスがド下手なのです。なので彼を4‐4‐2のサイドで使うには少々無茶がある。突破力もそこまであるわけではないし。じゃあ彼は何ができるの?と言われたら、彼は間受けのスペシャリストだと答えます。縦パスのコースを提示し、周りと関わりながら前へ出て行き、得点に絡んでいくのが素晴らしく上手い選手です。守備の読みも鋭く、適正はIHでしょう。しかし今のこのチーム状態では輝きづらい選手の一人かもしれません。それでも彼は自分の実力を要所要所で見せているはずです。なので彼が期待外れだったと意味のない叩きは止めましょう。組織がなく、選手に明確なタスクを負わせることのできないウェストハムが悪いのですから。個人的にはフォルナルスがウェストハムの顔になってほしいのですが、叶うでしょうか。
話を戻しますとスノッドグラスにライスの横を守らせるのはいくら何でも無理があります。確かにやらかしはしますが、カルロスサンチェスを投入すべきだったでしょう。
・ボール保持時
4‐4‐2にしてアントニオを投入したおかげでダメだったロングボール回収率が上がった後半。50分経って初めて相手陣に押し込みます。
エースの帰還
みなさん、ウェストハムといえば誰を最初に思い浮かびますか?僕は一番にランシーニが浮かびます。ウェストハムは彼のチームであることをこの試合で証明しました。まるでアザールかのように3.4人に囲まれてもドリブル突破。左サイドの一番手に名乗り出ました。
ランシーニのドリブル突破からの得点
マスアクの寄せでこぼれたボールをランシーニが運び、一人かわしたところをこのDFの集中具合。彼のドリブルにブライトンの選手は釘付けになっていますが、一人だけ淡々とゴールを狙う選手が。チチャリートは相手の背中を取る、見事なタイミングで裏へ抜け出しいとも簡単にゴール。ウェストハムの前線は彼が同じチームに所属してくれることに感謝すべきです。まだ若いアレはまだまだチチャから学べるはずです。
・ボール非保持時
ライスの相方問題
4‐4‐2になったおかげで一人ひとりの守備範囲が明確になった分、責任も重くなります。やはり厳しかったのはスノッドグラスのボランチ起用。ボランチというポジションは献身的なだけで勤まるポジションではありません。決定的なシーンをいくつか作られていました。一例をあげると
これはスローインしたボールを奪われたシーンなのですが、スノッドグラスは前線へと走っていました。彼の長所は前線にガンガン飛び出して行ったり、守備に全力で戻ったり、上下動を惜しみなく徹底できることです。だから彼もIHではウェストハムで欠かせない存在まで登り詰めたのです。
時すでに遅し。あとは祈るのみでしたが、スノッドグラスの願いは通じたのか、トロサードのシュートは全くミートせずゴールキックに終わりました。守備時もガンガン飛び出してプレスをかけようとしていたので、ライスの横がガラガラになり、ライスも本来いないと行けない場所から少しずれたポジショニングを取らざるを得なくなりました。
そして82分。個人的には待望の布陣でした。
チチャに変わり、カルロスサンチェス投入。ライスとの待望の2ボランチです。
フォーメーションは4‐2‐3‐1に変更。スノッドグラスをトップ下に迎え入れます。
ずっと思ってたんですが、ライスの相方問題はライスのローテを務めるカルロスでいいんじゃないかと。彼はW杯でのミスで短所だけが目立つようになりましたが、セリエAで培ってきた実力は本物です。ボールを持った時の判断は少し厳しいものはありますが、周りをよく見て気配りの良いポジションを取ってくれます。
15番カルロス
ブライトン6番にボールが出てもあたりに行ける位置
オグボンナが出て行って空いたニアを潰す。
ライスの空けたスペースにしっかり入れる選手はウェストハムではカルロスしかいません。また次もみたい布陣です。
改善された前線のプレス
前半で散々やられたウェストハムの前線ですから、後半は少し慎重になりました。
まず4‐4‐2に変更後、前線が2枚。ビルドアップの妨害はしやすくなった。ブライトンのCBは決してビルドアップ能力に長けているわけではないので、2トップは少し待つようになりジリジリとブライトンCBを追い詰め、チチャのプレスとアントニオの献身的なパスコース切りのおかげでロングボールを蹴らせることに成功しました。
まとめ
ブライトンのCBはビルドアップが上手な選手ではありません。この試合でもパスミスが多かったし、冷静な判断もできないときもありました。しかし、彼らは挑戦しているのです。苦手だからやらないのではなく、今の時代に何とか食いついていこうと監督と選手が一体となって上を目指しているのです。こういうチームは絶対強くなる。ウェストハムは選手の質では圧倒していますが、本題のサッカーでは圧倒的に負けているのです。ウェストハムがいくら良い選手を補強してもこのままじゃ無駄なのが関の山です。ビッグ6に食いつくどころか、はたして残留できるのかと。決して言い過ぎではないと思います。このサッカーを昨季から現在、続けていくのなら未来はないでしょう。この不安定さもロマンなのか…?ではまた書きます。
ついにプレミアリーグ開幕!恒例のスタートダッシュ失敗 第1節 シティ戦 0‐5 #9
いやーついについに開幕しました!やっと退屈だった週末から解放されます。
開幕戦の相手はマンチェスターシティ。一か月前くらいには発表していましたが、もうビッグ6のなかでも群を抜いているシティ、リヴァプールとの2年連続開幕戦は頂けない。まあ自分たちの弱点が浮き出すにはありがたい相手ではあるんですが…
1.スターティングメンバー
ウェストハム注目のフォルナルスはベンチスタート。最近左サイドで起用していたランシーニをトップ下、左サイドにそのままアントニオが入った。
代わってシティ。新戦力のロドリがアンカーに入った普段の4-3-3システム。ロドリはプレシーズンでも見ましたが、まだ完全にはフィットしてない印象。ボールが入った時は上手いですが、マーカーの影に隠れてしまい、受け方に問題ありかと。
2.ビルドアップ
基本的には4バックのままビルドアップ。SBを上げて、ライスがそこに入る形を多用していたが、その場合は4-1-3-2みたいになり、ボールが運びづらくなっていた。ウィルシャーもスノッドグラスも一列前に上がってしまうため、4-1-3-2の1を務めるライスへのサポート不足は今季も継続みたいだ。
アラーが降りてきたがデブライネにコースを消されたシーン
シティのボールサイド圧縮によって、穴のない守備。なかなかボールを運べなかった。ここまで狭いと流石のウィルシャーもドリブルで運べない。サイドチェンジのできるCBでゲームを作れる選手が必要。
片方のSBだけをあげての3バックのビルドアップでは、ライスがDFラインの前で常にライン間で受けれる位置にいて、攻撃にも厚みを出せていた。やはり、ライスがDFラインに吸収されるよりも、DFラインのみでビルドアップしたほうがこのチームの2列目を活かせる。カルドソが見たい。
3.攻撃
前半は高い位置でのインターセプトからのショートカウンターに、押し込まれた時のアラーにロングボールからのフリックでランシーニが出て行くロングカウンターと、かなりカウンターが刺さりました。もう少し冷静な判断を出来れば先制できたシーンもありました。
アラーのフリックからカウンターチャンス。
相手のミスからカウンター発動。このあと3(アラー、アントニオ、フェリペ)対2(ラポルト、ストーンズ)の状況を作り出せたが、アラーの余裕のないプレーでシュートチャンスを作れなかった。今後に期待。
アラーは競り合いでのフリックやボールキープからのスルーパスなど見せ場を作り、サイド攻撃のいい起点になっていたが、判断の速度に問題あり。
後半はフォルナルスがトップ下の位置に入ると、やっぱりこの男を取ってきた甲斐があった。サイドバックへのスルーパスで連続でチャンスを演出。フリデリックスのクロス精度が良ければ、流れは変わってたかもしれない。しかしこの試合、ウェストハムがバイタルエリアでチャンスメイクできたのは一回。ジェズスのプレスバックによりゆっくりとボールキープさせてもらうことはできなかったとしても、流石に少ない。フォルナルスとアラーのコンビネーションがこの試合では上手く発揮できませんでした。
4.守備
ウェストハムはとにかく4バックのDFラインを崩さず、中盤もハーフスペースを出来るだけ埋める試みに出ました。結果は0‐5。中途半端なハーフスペースの管理が原因として挙げられますが、ロドリへのパスコース切り はかなり有効に働いてました。
このランシーニとアラーの2トップの守備はよく連動していました。どちらかがボールの入ったDFラインにプレスをし、どちらかはロドリへのパスコース切りを怠りませんでした。アラーは逆サイドに蹴らせないように、これにより、ロドリはこの2人の陰に隠れてしまい、かつアンカーのポジションにとらわれすぎて、ロドリはあまりビルドアップの助けにならず、CBからリスクの高いロングボールを蹴らせることに成功していました。何回か高い位置でもインターセプトもできていました。これを点に繋げたかった。シティ戦に臨むならこのロドリをみんな狙うでしょう。後半に入ってからは、デブライネ、シルバなど他の選手がウェストハムの選手を自陣に引きづり込み、ロドリはその背中を取ってボールを運ぶことは出来ていましたが。それでも変わらずウェストハムの狙い所になっていました。
・1失点目
1失点目に関してはうちがプレスをかけてボールを奪いにチャレンジしに行った結果の失点ということを認識しておきましょう。しかし、それもシティの戦術通りということも忘れてはいけません。
このようにシティの攻撃を完全に止めるにはGKエデルソンまでプレスをかけないといけません。エデルソンは非常に厄介な存在で、後ろでCBの真ん中にいるかのようにビルドアップに参加したり、一発キックでアシストが出来てしまう。なのでシティの攻撃を完全に止めるにはエデルソンまでプレスをかけ、出来るだけプレッシャーを与えないといけない。
エデルソンからジンチェンコにボールが出た時
フェリペはジンチェンコにドリブルから何からまで出来るくらいスペースを空けてしまった。ここまで簡単に運ばれてしまうと2トップの守備が無駄になってしまう。
ジンチェンコは偽SBでロドリの横につき、
マフレズへと逆サイドに展開。この時アントニオはデブライネのマークを受け渡したかったが、中盤のスライドが遅れ、一瞬マフレズが空いてしまった。そこに猛スピードに突っ込んでくるウォーカー。フリーのマフレズは最高のスルーパス。クレスウェルはウォーカーのスピードについていけず、クロスをあげられ、中のディオプもクロスに追いつけず失点。このようにボールサイドのHSを埋めることは出来ていたが、逆サイドのHSは塞ぐことが出来ず、特に逆サイドの守備は疎かになってしまった。
後半
アントニオに代わって出てきたフォルナルス。出始めはかなりフワフワしてました。
寄せも遅かったし、強度の高い試合になるとウィルシャーとの同時起用はかなり厳しいかもしれません。途中からランシーニが左に入りました。ちょっと不安材料。フォルナルスには早くプレミアのスピードに慣れてほしい。まあ初戦シティはしょうがないですかね。
・2失点目
ライスが味方のミスをインターセプトしまくり、これもいい感じに左サイドをオーバーラップしそうなシーンですが、ランシーニとフォルナルスは被り、しかもランシーニはこんな狭いスペースでまあまあ強めなリターンパスをフォルナルスにしてしまいます。
もちろんフォルナルスはそんなボールをコントロールできるはずもなく、ボールはシルバのもとへ。それをデブライネに渡したところでバルブエナがあまり良くないタイミングで出て行ってしまい、デブライネにかわされ、スターリングにスルーパス。スターリングに1対1を制され、2失点目。失点源はウェストハムのミスからです。てかランシーニさん。そんな狭いスペースで普通そんなことする!?もうランシーニは反射的にリターンパスしてしまうのでしょうね。ランシーニがもう一皮むけてただの上手い選手から脱却するにはもう少し冷静な判断力が必要です。
幻の3失点目はついに狭いHSを使われました。
フォルナルスが一瞬ジンチェンコを放してしまいました。これをみてシルバはウィルシャーの背中を取り、
HSでシルバをフリーにしてしまいました。フォルナルスがもう少しジンチェンコにプレッシャーを与えていたら、ウィルシャーが引っ張られることもなかったかもしれないが、その可能性も低い。このプレーのあとウィルシャーはスノッドグラスと交代。やはりこういう試合ではライスの横に置くのは難しいか。
3.4.5失点と立て続けに失点したのはもう完全にスタミナ切れ。間延びしまくり。3点目を取られる前に何回か良い形を作り、ゴールまであと一歩のところまで行けたのですが、残念ながら自分たちの時間を取り逃がしてしまいました。シティはウェストハムが狙い続けていたロドリに変わりギュンドアン、ジェズスに変わってアグエロ、なんて酷な。。。かなり意気消沈してしまいました。
まとめ
初戦を叩かれることは慣れていますが、昨年と違うのは、この後の4連戦は勝たなければならないということです。立て直すには十分な試合数ですし、正直ほぼ捨て試合だったこのシティ戦でダメなところが浮き出たのは成果と言えます。次負けて良いのはリヴァプール戦くらいです。それ以外はビッグ6といえタダでは落とせません。勝ち点60をあげるのであればです。
そろそろ2桁順位で終わるシーズンはやめにしましょう。次はブライトン戦。叩けるはずです。はい。間違いない。ぜひ次は勝ち点3を。