久々の快勝!分かりやすく出た課題 ウェストハムvsノリッジ第4節
はじめに
タイトル通り、やっと実感のある勝利を手にいれたなと思います。この戦い方に継続性があるのかどうかは置いといて、今週は勝利の美酒に酔いしれましょう。試合もないことですし。ですが少し気になる点も触れていきます。では始めます。よろしくどうぞ。
1.スターティングメンバーと試合結果
https://www.whoscored.com/Matches/1375961/Live/England-Premier-League-2019-2020-West-Ham-Norwich 参照。
注目のプッキはこの試合ではあまり目立つことはありませんでした。ノリッジも前半ペースを作れそうでしたが、この試合ではパスミスが目立ち、ターンオーバーも多かったので、ウェストハムは自分たちでゲーム作らずに済み、シンプルなカウンターが何度も刺さりました。しかしあのカウンターの数々で2点しか取れなかったのは、シュートメイクの数も少なかったことからも明らかな課題でしょう。
MVPはマスアク。攻撃面でも良いランニングからボールを貰い、精度の高いクロスでアシスト。前を向かせない寄せの速いタックルも健在で数は6回。このまま定位置を掴みたいところ。
2.ボール保持時
命運を分けたロングボール作戦
何度も言いますが、ウェストハムのビルドアップは酷いものです。それについてはまたあとで書きますが、とりあえずウェストハムはこの試合で1つの試みに出ました。それは、ビルドアップミスで取られてカウンターを食らうなら、キーパーに戻してアレにロングボールだ作戦です。これがこの試合ではかなり上手くいきました。ファビアンスキまで戻し、ノリッジの左CB(183㎝)の背が低い方にアレが流れ、そこにロングボール。こぼれをトランジション(切り替え)勝負でボールを前に進むことも出来ていました。しかしこれは相手のプレスを避ける際の逃げどころの1つなだけであり、チームはまだボールを握ってゲームを支配することを諦めていないのは試合を見ればわかります。
一向に修正が入らないビルドアップ
ウェストハムがなぜビルドアップからの攻撃が上手くいかないのか。その答えはずっと前から出ています。DFラインの足元?視野の狭さ?それもあります。しかし個人的に一番問題だと思うのは、サイドハーフとサイドバックの共通認識のないポジショニングだと思います。
(1)右サイドのフリデリックスとヤルモレンコ
こちらは左サイドのマスアクとフェリペアンデルソン
ウェストハムでよく見られる光景です。どちらもサイドに張ってしまって、中央に人がいません。
(1)
よってアレと絡む人がいなくなり、孤立してしまいます。そのため、チチャリートやルーカスペレスといった人が密集したところで活きるタイプの選手は実力を発揮できず、生き残るのはロングボールのターゲットになるポストプレイヤーのみとなるのです。この次に行われるプレーよく見られるのが、次にサイドハーフがCB横までボールを貰いに来てずるずると後退しロングボールを蹴らされる。
3バックに可変するなら
↓
(1)改善版
最低限このように選手を配置してから、その後の攻撃は選手に任せるのなら、まだ分かりますが、それもしないなら選手は迷ってしまいます。
右WGを務めるヤルモレンコが中に入ることでライアンをフリーにすることができ、さらにそのままクロスのターゲットにもなれるヤルモレンコは貴重な戦力です。
しかしウェストハムの右WGのヤルモレンコは外からの突破が得意な選手で、中でのプレーはあまり得意そうではありません。ライアンも超速オーバーラップが長所でタイミングが良くないと上図(1)のように互いの良さを消しあってしまいます。
アントニオがいない今、この仕事が最高に上手い選手が一人。
パブロフォルナルス。彼はアレとの連携がチーム1良く、中で自らもゴールに絡むプレーが最高に上手いです。それはもうこのチームには勿体ないぐらいの能力の高さです。彼がウェストハムでいまいち出番を与えられない理由は彼自身に問題があるのではなく、彼が機能するようなチーム作りが出来ていないため、今現在そこまでの活躍を見せれていないのです。アントニオのケガは痛いですが、フォルナルスにとってはポジション奪取のチャンスです。期待しています。
実際にウェストハムが上げた先制点は上図の形とほぼ同じでした。
立ち位置は逆ですが、フェリペアンデルソンが相手のSBを引き付け、SB‐CB間を空けました。そこにワンツーしたマスアクが走り込み、
カバーしてきたCBを振り切ったことで中も同数。精度の高いクロスで先制アシスト。アレも片手で相手との競り合いを余裕で制した。圧倒的フィジカル。
しかし皆さんお気づきかもしれませんが、このプレーは偶然起きたということです。上に貼った画像の時計を見れば、10分後にはこのプレーは忘れられているのです。ウェストハムにすればただの一夜限りの出来事だったのです。
3.ボール非保持時
ノリッジの狙い
何度も見られた再現性の高い攻撃でした。ノリッジはビルドアップからボランチの2人がDFラインに落ちて、SBが高い位置を取って幅を取り、サイドハーフがシャドウ気味に中に入ってくる形を取ってきました。このサイドハーフがマスアクを釣るように落ちてSB裏を空けさせ、高い位置を取ったSBが抜け出し決定的なクロスを上げさせてしまいました。
前半40分ぐらいまではノリッジはこの攻撃を続けていましたが、コンディションが良くないのか個々のプレーのミスが目立ち、思うように行きませんでした。
ウェストハムが取った対策
4‐4ラインが綺麗に揃わないウェストハムは相手のビルドアップを止めようとしました。
色変えるの忘れてすいません。黄→ノリッジ
ウェストハムはサイドハーフが出て行く守備をするようになり、降りていくノリッジのDHの選手にもついていくようになりました。これで相手のパスコースを消しにかかった。DFラインも間延びしないように上げていましたが、DFライン前のスペースは空き放題でした。ノリッジがこのウェストハムのプレスを剥がしていたらとんでもない惨殺ショーだったでしょう。なにはともあれノリッジの攻撃を止めることができました。
まとめ
試合内容はとても良かったように見えた試合でしたが、実際は相手に救われたシーンが多い試合でした。しかしそれでも順位は7位と好調スタート。今年は勝たなければならないところでは勝っています。勝負強さを身に着けたウェストハムは今季どこまでいくのか見ものです。ではでは。また来週。