あの日ウェストハム

ウェストハムファンが思ったこと書くブログ

ウェストハムが抱えるビルドアップ問題 #1

試合日3月10日 対カーディフ戦 第30節
まずはスタメンと共にフォーメーションの紹介です。

ウェストハム:攻撃時3-4-3? 守備時4-1-4-1?
カーディフ:攻撃時4-3-3 守備時4-4-2

そして2チームの噛み合わせはこうです。

カーディフは中盤3枚をマンマークで対応
ランシーニには17番のグンナルソン
ノーブルには7番のAlter
ライスには23番のCamarasaが軽くマンマーク
ウェストハムのビルドアップ時にライスが降りて
3バック化するため。

ウェストハムはこのマンマークを最後まで攻略することが出来ませんでした。

なぜ攻略出来なかったのか。原因は恐らくビルドアップにあるかと思われます。

・ビルドアップ時の問題点
①前半6分30秒〜のシーン

ライスが落ちてきて3バックでビルドアップするのか、そのまま4バックでビルドアップするのか、どっちなの?っていう状態です。

この場合相手が2トップでプレスにかけてきているので、2+1+アンカーでプレスをかわすのがビルドアップの定石。ライスが落ちてきて3バック。の方が正しいと思いますが、アンカーに入ってくる選手がいなければ、SBも高い位置を取ることが出来ていない。
後ろと前の共通意識が出来ていないのが分かります。

・このシーンの後

ディオプがここまで運んでやっと降りてきたノーブル
しかしチチャリートも同時に降りてきたのでお見合い。この後カウンターを食らってピンチになります。
スノッドグラスもサイドで張ったまま現場を見てただけ。フリデリックスが使いたい1番外のレーンを通せんぼしています。

②前半51:00〜
ビルドアップのミスから失点に繋がってしまいます。

このシーンは、相手ロングボールを回収し、クレスウェルがオグボンナにボールを渡した時のシーンです。

この時オグボンナがそこまで難しくないバックパスを上手く足元にコントロール出来なかったため、前のランシーニ・ノーブルに縦パスを通すことが出来ずにGKファビアンスキに戻してしまいます。


ここでカーディフの7番Alterが猛然にプレス。
ファビアンスキはたまらずロングボールを放り込みます。

しかし、この場面。DFラインで数的同数を作られています。

このロングボールを出来るだけ前に蹴らなければ、GKが近いところで数的同数のカウンターを受けてしまいます。

そして次のシーン。このロングボールの行方は

競りもしないで歩いているスノッドグラス。
この状況でボールを前線に送られたらマズイとは思わなかったのか。

そしてこのボールが相手チームNiasseに渡りカウンターの場面でしたが、流石のディオプの対応を見せます、が。

この試合でDFラインの連携が1番上手くいってなかったのが、ディオプとフリデリックスの2人。もうプレミアリーグも折り返しもとっくに過ぎているのですが…しかし、フリデリックスも最近怪我から戻ってきたばかり。試合勘も原因の1つかもしれません。

フリデリックスはディオプと被ってしまい、中途半端なクリア。そのクリアを回収され、ペナルティエリアには2対2の数的同数。クロスを上げさせてしまい失点。

ウェストハムは怪我人も多く、新戦力もそこまで力にならず、チームのエース、アルナウトヴィッチも去ってしまうかもしれない。一昔前の相手のプレスを剥がしきれないビルドアップが弱点だと分かれば、他チームも容赦なく、マンマーク、プレスを仕掛けてくるかもしれません。

皆さんがウェストハムについて思ったことをどんどんコメントしてくれたら嬉しいです。ありがとうございました。

大宮戦について 前半

甲府の3-4-2-1システムがどこまで機能するのか
大宮戦です。見た感想を
[前半]
まだ1分も経たない内に
?と思うシーンが1つありました

急に山本が上がり、右CBのピョンになにか伝えています。ビルドアップ時に後ろを4-2にする為? ピョンに中に絞れと言っているのか、または単純にラインを上げろと言っているのか。

しかし、ピョンはあまり動かずに山本が空けた
広大なスペースを空けたままにしています。この後
なにもありませんでしたが少し見てて怖かったです。

最初の5分間大宮は前線から積極的にハイプレスをかけ続け甲府にボールを切らせる場面が多かったです。

問題のシーン1つ目

岡のありえないパスミスから相手に決定機
ボールを繋げる意識が高くなったことはいいが、
最初の5分間相手が集中してハイプレスをかけていること。まだCB間の連携が疎かであること。
色んな条件が重なった上でのこのパスミスは痛い
なんとか防いだがこれで失点していたら酷い試合展開になっていたかもしれない。

このピンチを防いだ後、甲府も前からハイプレスを仕掛けます。特にリンス、小椋、松橋のハイプレスはとても連動していました。

問題のシーン2つ目
コーナーキックからの失点

単純にゾーン人多くない?しかもマーク1人足りてない。後ろでなんでもやりたい放題のマークのつき方。
サインプレーをするにはうってつけなディフェンスの仕方です。これはサインプレーというよりも単純にドフリーだったってことですね。

そしてリンスのこのプレー

甲府の攻撃はリンスが要であることは間違いないのですが、1人で仕事をこなしたがりなのか全体的に味方を使う場面が少なかったです。これも小塚に預ければチャンスに繋がったかもしれません。

しかし、やはり甲府の要であるリンス
4分後にチャンスを演出します
おそらく甲府の1番良かったシーンです

楔にボールを貰いに来たリンス
しかしボールを貰える状況ではありません

リマが困っていると小塚がDFラインに戻せと手振りします。それを見た大宮の選手はリマにプレスをかけます。それに合わせてリンスは後ろに下がり、自分が貰えるスペースを作り、松橋とアイコンタクトを取っています。

ボールを要求後、リンスはすぐさま反転、松橋はすでに走り出しており、急な展開に大宮の右SBは完全にボールウォッチャー。松橋ドフリー。

この場面は本当に惜しかった
松橋もっと運べなかったのか
ペナルティエリアまで運べたら確実に一点物にできたシーンでした。

そして5分後。

さっきの崩しはなんだったのか
この広く空いたスペースになぜか誰もいません
ここにリンスが来て、三角形が作れたら
数的優位で左サイドを攻略出来ました。
まだ戦術が浸透していない状態ですね
初戦ですし、これからですかね。

そしてこのシーン

リンスはWBとの連携はいいんですが…
何でこんなにも中盤の選手を使わないのか
難しいことをしたいのか中盤との組み立てには不向きな気がします。

この後、ファウルで止められてしまった場面

この試合、大宮は極端に左サイドを主戦場にしていたため、2シャドウの堀米は自陣の右サイドハーフまで守備をしていましたが、リンスはそこまで守備に戻らず、カウンターが出来る位置に居ました。

しかしこれにより大宮右サイドに広いスペースが生まれ、簡単にスペースを使わせてしまいました。

前半に甲府のいい場面もありましたが
まだムラが多く、ポゼッションには課題が多い印象です。まあ大宮がかなり集中した守備を展開していたため、無理もない気がします。
しかし小塚のパス精度には光るものがありましたね
今後も期待しましょう

後半に続く

ヴァンフォーレ甲府が3-4-2-1でポゼッションを目指すことについて

2月25日 ついにJ2も開幕
第1戦目から優勝候補の大宮と甲府がぶつかり合った
甲府のスタメン

甲府は昨季から取り入れている3-4-2-1システム
J2で流行っている3-4-2-1システム
J2ではハイプレスを外せるクラブが少なく、
前からハメていき、うまくいけば相手のミスを誘い、
ショートカウンターを狙うというもの。
そして守備時は5バックにしてしまえば崩せるチームも少ないため、簡単に1トップの選手にロングボールを放り込みます。しかし、この1トップがこのロングボールの勝率が低ければ意味がなく、この1トップがとても重要になるわけです。そして今季の甲府にはその戦い方をしてきた湘南の得点王ジネイがいる。
しかしこのジネイが使われなかった…
おそらく甲府がやりたいサッカーはそういうことではないしっかりとしたポゼッションサッカーだと

[守備の仕方]
サッカーの強度を上げるにはまず守備を仕上げること
3-4-2-1での守備は2パターンあります
まず1つはウイングバック(松橋と湯澤)を下げて5バックに。そして2シャドウ(リンスと堀米)の選手がインサイドハーフまで下がる5-4-1。2つ目は2シャドウがサイドハーフまで開く方法です。

甲府は前半左サイドを多く使われたため、堀米が右サイドの守備を。リンスはそこまで守備に戻らずに金園の近く、カウンターが出来る位置でプレーしていた。

[攻撃時]
前述したようにJ2でよく使われる3-4-2-1での攻撃は基本1トップにロングボール。しかし甲府の目指す形はポゼッションを高め、ボールを支配するやり方です。

3-4-2-1でポゼッションをするには3バックのビルドアップが鍵になります。相手がハイプレスをかけてこない限り、3センターバックは半永久的にボールを持つことが出来ます。そしてウイングバックは徹底的にサイドに貼り、中盤のスペースを空ける必要があります。とは言ってもボールを持っていても何もアイディアがなければ意味がない。
ここからボールを前に進めるには、ボールをボランチと経由することも大事ですが、右センターバックと左センターバックには"運ぶ"ドリブルが出来ると局面が楽になります。運ぶドリブルとはセンターバックと守備的ミッドフィルダーに求められる仕事です。簡単に言ったら図のようなことです

中央のCBが相手のプレスをかわすために左センターバックにパス

そして左センターバックが持ち上がり、相手のフォワードのラインを超えることです。そうすることにより、センターバックからウイングバックにパスが渡った時にプレスをかけられ、ショートカウンター発動みたいな場面が少なくなります。

そしてこのウイングバックというのはとっても大変なポジションで、ボールを支配しているときは最前線へ、攻撃が失敗したら全速力で戻り守備をしないといけません。故にこのポジションの出来が勝利を左右するといっても過言ではありません。なぜ守備にもどらないといけないのにそんなに上がるのか。

通常相手が4バックだと両サイドバックがシャドウとウイングバックの両方を見ないといけなくなり、ウイングバックに関してはマークがつけません。そしてこれは中盤、そしてバイタルエリアのスペースを空ける助けもするため、ボールが前線に当てやすくなり、チャンスにもなりやすいのです。だからボールに関わらずともそこに"いる"ことが大事であるわけです。

甲府がJ2でどこまで進化するか楽しみです。